検知原理の発想および「正位相」「逆位相」の定義について

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そもそも「音が聞こえる」「音の高低・周波数」とは・・・

音が人間の耳に聞こえる時、音の発音源からの音波を耳で感知して音の存在を認識します。発音源から発生する空気の圧力の濃淡を耳が感じて認識します。
発音するにはエネルギーが必要です。最初に発音体に対し圧力を加えることにより発音します。この時最初の音の進む方向は加えた力の向きへと進みます。持っているエネルギーと静止させようとする抵抗との力が同じになった所でいったん停止し次に慣性の法則により発音前の静止状態に戻ろうと逆方向へ向かい、この時持っているエネルギーの量にもよりますが静止位置を通り過ぎこの時点のエネルギーと静止させようとする抵抗との力が同じになった所で再度停止、この繰り返しをエネルギーがなくなるまで繰り返します。この時の繰り返す数が周波数と呼ばれるものです。例えば一秒間に10 回振動を繰り返した場合は10 ヘルツとなります。

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フェイズ・ディテクターとは

本機はこの最初に発音して進む音を感知し、その音が直接届いたものか、一度反対方向へ向かい再度検知器側に届いた物かを判断して表示させる機器です。
この音の違いが音楽を合奏する場合に与える影響が大きく同じ譜面の曲を同じように演奏しても全く違うような雰囲気の音となることが多く、この音の状態を認識して位相切替器等を使用し適切に設定して合奏に望むことにより違和感を感じることなく演奏に専念できるように位相を簡単な操作で検出し表示する本機を発明いたしました。
本機の説明や当社のネットなどで多く目にする位相、正位相、逆位相などは前記の音の状態を定義してわかりやすくするための手段として用いております。

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グループ演奏における逆位相の不具合

音、特に音楽において単独で使用する楽器だけでの演奏時は他に音を出すものがないため何の問題もありませんが複数の音が関係してくると音同士の干渉などにより複雑な関係となり単独で演奏する場合と違って違った音となってきます。このような理由により複数の音の素性を認識して意識してコントロールすることにより今までは感や感覚でとらえていた音を実体として把握することができます。現代の音楽でのドラムの存在は欠くことができないものでビートの主役となっています。このドラムセットのうちバスドラムは一般的に観客側に向いています。PA などもこのバスドラムの正面にマイクを置いて音を拾い拡声して観客の届けています。このバスドラムはドラマー側よりペダルについているビーターでたたくことにより音を出します。音を出した最初の音波の進行方向は先に観客席に届きます。このバスドラムの音を当社ででは音を音楽におけるビートの基準、基準音波、基準位相としています。
少々の例外を除き殆どの録音やコンサート会場でのPA 、ライブハウスなどはこの前に進む音をマイクで拾って拡声したり録音を行っています。本機を使用することにより最初に検知器に到達する音が正位相なのか逆位相なのかを判断して位相切替器等で適切な位相に設定した音を出すことによりバンドのアンサンブル中に起こる複数の音間での悪影響、アンサンブル中での楽器同士間でのノイズキャンセル効果を無くし理想の音作りができるようになります。人の耳、勘にたよることなく確実に音作りの設定ができます。

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フェーズ・ディテクター使用のメリット

●本機は電気楽器、アコースティック楽器、楽器用アンプ、マイク、音響装置等に使用できます。
●「正位相」とは最初に発音する音が観客席を向いたバスドラムと同じように発音後に進む方向が同じ音をいいます。
●別売の位相切替付きの装置を使うことにより位相のコントロールが自由にできます。
※下記の大きな矢印は発音時最初に観客側に届く音の方向を示しています。
音の位相の概念図
●電気楽器は出力電圧の極性(位相)がプラス(正電圧)とマイナス(負電圧)の二通り存在します。ピエゾピックアップやその他の方式のピックアップも同様です。プリアンプ搭載のものも二通りの位相で出力するものが混在しています。
●ギター等で使用するエフェクターにも回路の構成がプラスで入力したものが反転して出力するものとそのままの極性で出力するものと二通り存在します。エフェクターの数が多くなれば踏むたびに位相が入れ替わることも多々発生いたします。
●ドラムセットは全てドラマー側では逆位相(反射音)として聞こえます。☆観客側から見るとバスドラムは正位相で他のドラムは逆位相となります。(PA などで拡声して聞こえる場合は特に)
●アコースティックギター、ウッドベース、バイオリン等は一度ボディーの中で反射して前に出た音のため逆位相となります。